1. なぜ心的ストレスの軽減ができるのか?

心のストレスとなっているのは、良くない感情や思考パターンです。これらは過去や未来に関することで、「今ここ」では起きていないことがほとんどです。しかし、それがリアルに感じられストレスとなるのは、その「感情」が「体の状態」とワンセットになっているからです。

心と体の関係性は、少し実験をすると分かります。眉間にシワを寄せて、口をへの字に結び、体を力ませて「幸せだな」と思ってみてください。難しいですよね。このように、心と体は密接に繋がっているので、体が怒りや恐れの状態で固定されてしまうと、思い出すだけでリアルに再現されます。

この関係を解除すれば、リアル感がなくなり、ストレスが軽減されます。もちろんストレスの度合いによって効果は異なりますが、考え方を変えることや姿勢のコントロールを学ぶことを併用すれば、効果は一段と高まります。

 

2. 自然操術とは、体全体の関係性とは?

自然操術とは、私が行っている手技の総称で、気、ツボ、経絡、筋膜(ファシア)などに働きかけ、体が自ずから健康になるように操作する術です。

体全体のつながりを読み解いて必要な手技を行います。体は全てつながっており、症状が出ている場所はその結果であることが多いです。

  • 例1: 右の腰痛の原因が左足首のねんざの後遺症であった。 左足首をひねって痛みはなくなったが、動きが悪い関節が生じており、それをカバーするために右の腰部に疲労が重なり痛みとなった。このような場合、動きの悪い足関節を改善しないで、腰の施術をしても治りきりません。

  • 例2: 握力が弱った原因が肋骨にあった。 無理な姿勢で物を抱え、その後手首が痛くなり、握力が弱くなって車の運転も怖い状態。触診すると、首の下あたりが硬く動きが悪いため、ここが原因と見て緩めようとしても緩みきりません。そこで上部肋骨の動きの悪い箇所を改善すると、首も緩み握力も回復しました。

以上は単純な例ですが、実際は中年にもなると動きが悪い箇所があちこちにでき、特に背骨は自分でも意識しにくいため、なおさらです。こうした状態が基本にあると、どこか一箇所に負担がかかり続け、限界が来て壊れることがあります。

また、姿勢や体の使い方が悪いと局所に負担がかかり続け、壊れることがあります。体は少々悪い箇所があってもカバーして機能しますが、年齢と共に機能しないところが増え、修復機能も衰え、やがて悲鳴をあげるわけです。

しかし、生きている限り誰の体にも自然治癒力が働き続けています。あなたの意識をそちらにも向けて、健康を回復し、快適な人生をお送りください。

 

3. 崑崙法(コンロンホウ)とは

私が修行した仙道の行法を中心に、頭部や顔面部に対して行う施術です。通常もこの部位は施術しますが、さらに繊細に深く行います。

仙道には「老子法36法」というものがあります。これは身体を健康に保ち、修行に専念できるよう、自らをツボ刺激、導引術(ストレッチのようなもの)、服氣法(呼吸法のようなもの)で調整するものです。行者は毎日この世を去る日まで行い、頭部や顔面部の行法を崑崙法といいます。

顔面の表情筋は感情と密接に関係しており、ここのコリを開放することで心のニュートラル化が図られます。

 

4. なぜ疲労が抜けきらない?

 それは、気づかない所に疲れが溜まっているからです。特に背中は疲れを自覚しにくく、自分で回復させるのも難しいです。風呂に入ってもそこまでは緩みません。気づかないところや手の届かないところまで働きかける必要があります。

5. 整形外科で良くならない症状が当院で良くなる理由

当院と整形外科の違いは、診断と治療のアプローチにあります。

一般的な病院では、レントゲン検査で主に骨を診断し、牽引、ホットパック、低周波などの物理療法を行います。しかし、当院では以下の点を詳細に検査し、施術を行います:

  • 骨格のゆがみ

  • 関節の動き

  • 筋のスパズム(痙攣)

  • 筋膜同士の癒着

  • 筋と神経の連携の良否

  • 全身の関連性

これにより、病院で見落とされがちな問題を特定し、効果的な施術が可能となります。

具体例

例1: 膝の裏の痛みで病院に行き「変形が原因」と診断されたが、改善しないケース

  • 当院で触診した結果、大腿二頭筋と腓腹筋外側頭の癒着が原因と判明。鍼と手技により癒着を取り、一度の施術で回復。

例2: 病院で前腕の腱鞘炎と診断され、痛みが治らないケース

  • 当院で検査した結果、上腕筋のスパズムが主原因と判明。MAT(筋膜の調整)により痛みが解消。この方は病院で腕を触診されなかった。

このように、当院の施術は病院では見つけられなかった原因を特定し、改善することができます。

実際の施術例

1. 肩痛の原因はどこにある?

3ヶ月間、右肩の痛みが続いているということで、整形外科でレントゲン検査を受けましたが、特に問題は見つからず、湿布と痛み止めを処方されたものの改善しないため来院されました。

検査の結果、第1・第2肋椎関節の動きが悪く、肩甲挙筋と棘上筋にスパズム(筋痙攣)があることが判明しました。これらの問題を3回の施術で改善し、痛みは無くなりました。

このように、関節の動きの悪さや筋緊張はレントゲンでは分からないことが多く、熟練者による触診が必要です。

 

 

2. 足関節の感覚センサーの問題が不調の原因

a. 膝裏が腫れぼったくて、正座するとかかとがお尻に付かない

距骨下関節や距舟関節に動きの悪さがあり、感覚センサーを再起動すると、即座に正座できるようになりました。

b. 歩くとそけい部が痛い

距骨下関節や距舟関節の動きが悪く、足底筋にスパズムがありました。感覚センサーを改善するとそけい部の痛みが消えました。悪化してからの時間が長かったため、脳が悪い状態の足関節に全身をバランスさせていたため、新しい姿勢に慣れるまで少し時間がかかりました。

c. 立っている時や歩いている時に右足に体重をうまく乗せられない

距舟関節の感覚センサーと足底筋のスパズムを改善すると、症状は良くなりました。

足関節には立位や歩行時に必要な感覚センサーがあり、これらは関節や筋肉、皮膚の動きを感じ取り、脳脊髄から筋への神経伝達に欠かせないものです。これが正常に機能しないと、さまざまな不調が起こることがあります。

 

次の文章をより洗練されたものにしてください 3.筋出力の抑制が不調の原因   a.症状は、肘の内外が腕を下にぶら下げるだけで痛む。服の着脱が痛い。     筋テスト(NPR)をしてみると上腕筋に筋出力の抑制(神経と筋肉の繋がり反応の悪さ)簡単に言うとスムースに力が入れられない。があり、上腕筋のMATをすることにより痛みはなくな りました。 b.症状は、右肩前側(三角筋)が腕を前方にあげると痛い。     三角筋にスパズム(ギューッと硬くなっている)がありこれが痛みの直接原因と思われましが、  拮抗筋(腕を後ろに上げる)の広背筋にもスパズムがあり(本人はここには不調を感じていません)ここに筋出力の抑制がありました。  施術は広背筋のMATと三角筋の鍼により、動作痛はなくなりました。おそらく広背筋の不調が最初にあり、それにより肩を上げるたびに三角筋に負荷ががかかり痛みとなったのだと思います。  この2例は、筋肉にスムースに力を入れられないことが原因となっていたと思われるものです。  MATとは筋本来の働きとバランスを取り戻すことにより、不調を改善施術施術ですが、このように  筋出力の抑制に原因があることもあります。

もちろんです。以下に文章をより分かりやすく洗練されたものにしました:

 

3. 筋肉と神経の繋がりが悪いことが、不調の原因

a. 症状: 肘の内外が腕を下にぶら下げるだけで痛む。服の着脱時に痛みがある。

筋テスト(NPR)を行ったところ、上腕筋に筋出力の抑制(神経と筋肉の繋がりが悪い状態)がありました。簡単に言うと、力がスムーズに入らない状態です。上腕筋のMAT(筋肉の調整)を行うことで、痛みがなくなりました。

b. 症状: 右肩前側(三角筋)が腕を前方に上げると痛む。

三角筋にスパズム(ギューッと硬くなる現象)があり、これが痛みの直接の原因と思われました。しかし、拮抗筋(腕を後ろに上げる筋肉)である広背筋にもスパズムがあり(本人はここには不調を感じていませんでした)、ここに筋出力の抑制がありました。

施術としては、広背筋のMATと三角筋への鍼を行い、動作痛はなくなりました。おそらく広背筋の不調が最初にあり、それにより肩を上げるたびに三角筋に負荷がかかり、痛みとなったと考えられます。

この二つの例では、筋肉にスムーズに力を入れられないことが原因でした。

MATとは、筋本来の働きとバランスを取り戻すことで不調を改善する施術ですが、このように筋出力の抑制が原因となっていることもあります。

 

このような症例を知るたびに、体の面白さを感じます

 

6.もみほぐすってどうなの?

 

 私は決してもみほぐしません。体がそのコリが不必要になって自ずからほぐれるように導きます。どのような状態でも体は必要があってそうなっていて、それも自然治癒力です。

例えば腰の右にヘルニアがあれば、体はそれが神経を圧迫するのを避けるために左の筋肉を緊張させて、体を左に曲げるということが起きることがあります。その左のコリをもみほぐすなんて怖い話です。

 

7.自らの体操で筋骨格系の不調を治す事はできますか?

 

可能ではありますが、非常に難しいです。なぜなら、筋骨格系の不調は無意識の反射や不随意的な筋緊張、筋群の協調運動といった錐体外路系(無意識の運動制御の世界)で発生するからです。こういった無意識の不調を意識的な運動で改善するのは困難です。

 

 しかし、自分の意識を錐体外路系とつなげることができれば、改善は可能です。そのためのトレーニングの一つとして、中国武術の基礎である「站椿(たんとう)」があります。これは、少し膝を屈した姿勢で立ち続けるというものです。

 

 この「立つ」という無意識的な反射に対して、意識が「降りていく」ことでその状態を理解し、立つことに変化をもたらすことができるようになります。これを起点として体操を行えば、筋骨格系の不調を改善することが可能となるでしょう。

 

 

 私たち施術者もこの無意識の世界に参入することで、体の法則に沿って無意識の歪みを治療することができるようになります。